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2022年4月01日 コラム

革の歴史

革の歴史,一枚革


皮革の加工文化は、国や民族によっても異なります。
それは気候、風土、生活様式、文化などによって加工方法は変わるためです。

日本の革の歴史は古く、「熟皮高麗(おしかわこま)」(※1)や「狛部(こまべ)」(※2)と呼ばれる工人たちが1000年以上前に大陸から渡来し、革の加工技術を伝えたと言われています。
※1:「かわおし」とも呼ばれるなめし皮職人、律令制のもとで官衙・寺院にある工房で皮革工人として従事していた者
※2:律令制のもとで皮革の製作、染色を専門とした者

今でも皮革の産地と名高い播州姫路地方は、海が近く、比較的温暖で雨の少ない瀬戸内海気候と相性が良かったことも相まって革のなめしが盛んに行われていました。
白なめしと言われる伝統的な製法では、薬品を使わずに水と塩と菜種油だけを用いて皮をなめす手法で、自然に恵まれた姫路だからこそ、1000年以上に渡ってこの技術が継承されてきています。

他の地域でも革の加工が行われており、明治時代になって現代の主流となっているタンニンなめしやクロムなめしが伝えられ、現在にいたっています。

上記の姫路市や同じく兵庫県たつの市では牛革のなめしが中心ですが、東京の墨田区では豚革のなめしを行っており、国内生産量の9割を誇っています。

世界的にみると海外では豚肉を皮ごと処理したり、食べたりすることが多く、日本のように皮を食用の副産物として革へ加工し流通するシステムがあまりないため、流通している豚革製品の多くが純国産となっています。