合格者インタビュー
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職人である以上こだわりがある
そこをうまく取り入れて自分の幅を広げる笹本 健一
親戚が今の会社にいたのでアルバイトとしてこの会社に入ったのが職人になるきっかけでした。まるっきり何もわからない世界に飛び込んだのですが、その時は早く一人前の職人になりたいという一心で必死になっていたので正直楽しくはなかったです。師匠の技術を目で盗み、時には教えてもらえたことでこの仕事が楽しいと思えるようになりました。試験は会社からの推薦で受けることになりました。自分の周りにも試験を受けている人がいますが、試験は年々難しくなっていってるように感じました。また職人である以上若い方でも少なからずこだわりがあると思いますので、そこをうまく取り入れていけば自分の幅が広がるのではないかと思います。
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仲間と出会いを大切にして
諦めないで続けてほしい猿渡 みゆき
自分のお店を持ちたいと思ったことが靴職人になるきっかけでした。オーダーの靴と鞄のお店で一緒に仕事をしている職人仲間が資格を持っていたのでみんなで資格を取ってお互いに切磋琢磨していこうというながれで試験を受けさせてもらいました。試験の際には事前のシミュレーション通りにいかず悔しくて涙が止まりませんでした。それでも合格した時は嬉しかったですし、何より自分の力不足を感じられたり、評価してもらえたことが励みになりました。どういった環境で働くかにもよりますが若い職人には仲間と出会いを大切にしてやりたい事があれば諦めないで続けてほしい。信じて続けていけばきっと光が見えてきますよ。
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自分の思い描くものを作り
使ってもらう喜びを知ってもらいたい常木 史也
物作りにはもともと興味があり、高校からの紹介で今の会社に入ったことが職人になろうと思ったきっかけでした。実際に試験を受けてみて学科試験はさほど難しくなかったのですが、実技試験は普段と違う作業をやらなければならない分、難しく感じました。ただ今後の技術を磨くためにも勉強していきたいと思いました。普段の仕事の中でも1本のベルトを作り上げる瞬間は達成感が感じられるので仕事のやりがいであり、喜びだと思います。これから職人を目指す人はまず革というものを好きになってもらいたいです。
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履いてもらう人のことを考えていれば
自分のこだわりはいらない高橋 恵介
今の会社の社長からの紹介と自分の作っているものを客観的に見てもらえる良い機会だと思って試験を受けようと思いました。1級の試験は、過去に受けた2級の試験よりは難しかったと思いますが、大変さはあまり感じませんでした。良くも悪くも靴作りに没頭できることがこの仕事のやりがいだと思っています。靴を作るなかで理想と現実の違いで自分の思った通りの形にできるまで試行錯誤を繰り返すのは大変だと思います。自分の作った靴を履いてもらう人のことを考えると靴作りにおいて自分のこだわりはいらないと思います。靴作りに関してはずっと考え込んでしまうとなかなか精神的にもきついと思うので楽しんでやれるのが一番良いと思います。
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ひとりよがりでない、
作品を人の目で評価されることが大切田鹿 昌彦
組合の推薦で認定試験を受けましたが、試験では普段通りの作業をするだけ。職人として受かって当たり前のことです。人の目で判断されることが大事なんですよ。自分的には自信があっても、実際の評価はわからない。自分の技術の指標になります。今後は別の資格にも挑戦したいですね。仕事の醍醐味は、今までチャレンジしたことないものを作るとき。自分なりのアレンジを加えて仕上げていき、それをクリアしたときは達成感があります。この資格は是非若い人に受けてほしいですね。自分はご縁があって今の職につきました。修業は何十年も続きます。職人というのは、死ぬまで一人前になれない世界。若い人に伝統を受け継いでいってほしいですね。
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検定試験で自分の技術に自信
先輩方に一歩一歩近づいていく篠塚 なつみ
昔からものづくりの仕事をやりたいと思っていました。中でも、まず小物を勉強しようと、今の会社に入社しました。この仕事は、自分の努力とがんばりで結果が出せる世界です。本当に好きじゃないと続けられないですが、やりがいがあって楽しいです。この試験のことは先輩方も取っていたので知っていました。受けた感想は「難しかった」ですね。しかし合格したことで、技術に自信を持てました。先輩に一歩近づいたんだなという自覚とともに、もっと技術を磨いていきたいという熱意もあります。最近は任せてもらう仕事が増えて、成長を実感しています。でも、まだ技術に納得いかないことがあるので、完璧にしていきたいですね。
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手に職がつき、やりがいを実感できる
女性にもおすすめしたい仕事和泉 空美子
もともとIT企業でエンジニアをやっていましたが、目に見える仕事がしたいと思って転職しました。昔からものづくりが好きで、皮小物に興味がありました。この仕事は、自分のやったことが品物として残るのでやりがいがあります。試験を受けたきっかけは、会社の先輩が受けていたので、スキルアップにつながると思ったからです。自分の技術に対して合否が明確に出るし、知らない人に審査されるのがプレッシャーでもありました。この業界は若い人が少ないので、たくさん入って来て欲しいです。手に職がつくので、女性にもおすすめしたいですね。技術には正解がありません。先輩に教わりながら、自分のやり方を追及するのみです。
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試験に挑戦することは
自分の技術と自信に刺激を与える羽地 文恵
一日中作業に集中できる、これがこの仕事に就いたきっかけです。学生時代は鞄をやっていたので、小物を作ることは、自分にとって挑戦でしたね。パーツの量も多く、知らないことだらけ。しかし、そこが面白いです。自分で一つのものを作りきったときは大きな達成感を感じます。また、以前できなかったことをスムーズに完成させた時は、成長を実感して嬉しいですね。試験を受けたときは、会場が普段と空気が違い、緊張しました。同じ業界の人が審査するので、いい刺激になります。合格の知らせを聞いた時はほっとしましたね。若い方たちには、いろいろ小物をみてほしいです。 どんな作り方がされているか、自分がどんな小物が好きかを知っておくといいと思います。
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先輩の背中を見て、後輩に背中を見せる
こうして技術は受け継がれる佐藤 周平
自分の為に何かを作るのではなく、人が使う道具を作りたい。それが鞄職人になったきっかけです。試験では緊張感もありましたが、普段通りを心掛けました。合格した時は一安心しましたね。この仕事は依頼人の要望にどれだけこたえるか、形に出来るかが難しく面白いところです。小さな工夫や気遣い、新たな発想など、作り手の技量で製品の印象が大きく変わるからです。物づくりは、飽きっぽくなく継続出来る人が向いていると思います。そんな先輩方の背中を見てきました。これから鞄づくりを志す人達も、先輩方の背中を見て育ってほしいです。
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良いものを作り続けていくことで、次の世代へつながっていく
石川 二郎
同じく職人をやっている父親と叔父の背中を見て育ちました。仕事の醍醐味は、自分の手で組み立てて、形になるのを見れること。認定試験では普段通りの作業をしました。合格した時は「自分がやってきたことは間違っていなかった」と嬉しさがこみ上げてきましたね。試験とは、自分のやっていることを外部の人に見られ、審査されること。評価されることが大事で、技術の改善にもつながります。資格を取ったからには、変なものを作れませんから、良いプレッシャーになっています。また、さらに勉強していこうというモチベーションにもつながっていますね。良いものを作り続けていくことで、次の世代へ技術がつながっていきます。
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靴は絵になる
そこにあるだけで、単体でかっこいい松本 年希
ものづくりが好きで「手で作る」という世界に魅了されて、10年前に転職しました。そこから技を磨いたわけですが、認定試験の合格通知が来た時は嬉しかったですね。資格を取得したということは、世間に認められたということ。家族全員で喜びました。資格があることで、責任感や緊張感を感じ、良い物を作っていく志になります。靴は見ていて絵になりますよね。なんでもなかった1枚の皮が手やミシンを通して形になっていく。ゼロから絵になるんです。その工程を見るのがすごく楽しい!これから職人を目指す人は、常に謙虚さ、感謝、継続することを忘れないで。大変だけどやりたい仕事ができることで、充実した日々を送れますよ。
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資格は自分の技術のものさし、技術の証明である
天野 俊
昔からファッションが大好き。スニーカーや洋服を集めていて、いつしか靴を作りたいと思うようになった、それが今の職のきっかけです。作業は何も考えず、気持ちを楽に。自分の勘を頼りに作っていきます。資格は自分の技術の物差しになります。数字では表せないものですから、立派な技術の証明になります。技術認定試験を受けてから、自分の中の意識が変わりました。新しい資格ですが、歴史が浅いだけに、権威の価値は合格者の技術次第。合格したからには、資格に恥じないものを作っていきたいです。これから革職人を目指す人は、自分の特技・強みをひとつ見つけてほしいです。そして目標になるような「夢」を持つことが大切です。
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自分のやりたい仕事なら
自分の力で掴み取ってもらいたい高橋 努
東京で靴屋をやっていた兄から誘われたのがきっかけで今の職に就きました。試験に合格した瞬間は自分の技術が認められて素直に嬉しかったですね。自分としては試験を受けたことで大きな変化というのは感じませんでしたが、社内の他の人間に対して良い刺激になると言われるようになりました。靴を作る際に同じ種類の革でも1枚1枚が違うので同じものを作るのは難しいですが、やりがいを感じます。ただ自分の仕事に満足してしまったら靴職人を辞めてしまうと思います。仕事ができる人は大勢いるのでそういう人を追い越していきたいですね。靴屋に就職しても希望の仕事ができず、2.3年で辞めてしまう人が多いのはもったいないと思います。自分のやりたい仕事であればしっかりと下積みを経て、自分の力でその仕事を掴み取ってもらいたいと思います。
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職人を目指す上ではやり続けることが必要
鈴木 達也
昔から靴が好きでした。何か作れるような場所はないかと思って始めたのがきっかけです。今では自分の作った靴以外は履きません。その靴こそが自分の看板だと思うので。いずれ街から職人がいなくなる時代が来るという親方の助言、そして靴作りの全ての工程を教えていただいたことなどから以前取得した底付技能試験に続いて今回製甲技能試験を受けようと思いました。いずれは試験の4部門全てで資格を取得したいと思っています。試験制度が長く続いて多くの人に知ってもらいたいです。職人を目指す上ではやり続けることが必要だと思います。楽しいことばかりではなく、つらいことも多い世界です。最初から職人なんていません。だからこそやり続けた人が職人なんだと思います。
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目の前にあることを
確実にやっていった先に職人という道がある篠田 英志
職人になろうと思ったきっかけは特になかったです。家業だったのもあるのですけど、知り合いの方の紹介などが今の職に入りました。試験は自分がどれくらい出来るのかを試したい気持ちもあって受けたのですが、色々と勉強になることが多かったです。試験に合格したときは自分の気持ちもそうですが、周りからの評価も変わって一層仕事に対する意識が変わりました。ただこの試験に受かることがゴールではないと思います。試験を受けた先に何があるのか。これを常に考えていて欲しいですね。先に明確なビジョンがある方が育つと思います。若い職人さんには先を見据えつつ、今目の前にあることを確実にやっていった先に職人という道があることを分かってもらえたらと思います。
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地道にコツコツと続ければ、好きなことが天職に
池田 寿夫
元々モノ作りが好きで職人の仕事に憧れていました。そんな中、今の会長に巡り会えたことがきっかけで革職人になりました。試験は前々から何度か耳にしていましたがタイミングが合わず、受けられずにいました。来年でこの仕事を始めて20年になるので節目の気持ちを込めて一度だけ受けてみようと思い、受験しました。普段あまり経験することのない、審査員のいる中での作業は緊張しました。実際に試験に合格して周囲からはお祝いの言葉をいただきました。しかし、この仕事は常に勉強することが大切なので、もし落ちていたとしても、受かっていても、これからも自分の気持ちや姿勢に変わりはありません。ただ、合格したことで自分の実力が形に表れたことはすごく嬉しく、受験してよかったと思った瞬間でした。好きなことを仕事にできるのは幸せなことですし、やりがいを感じます。この仕事は、見た目は華やかそうに見えますが、地味な仕事の繰り返しです。それを続けていくと自分の基礎となり、さらに続けるといつか天職になる日が来ると思います。
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一人一人に合った靴を~「技術者」としての靴屋になること
山口 和孝
「世の中には靴について困っている人がいる」と知り、技術者としての靴屋になろうと職人を志しました。靴はファッションとして捉えがちですが、技術としてどう向き合うかが大切です。技術者として、100%お客様の要望に添う靴を作らなければいけません。資格試験を受けたきっかけは、これまで身に着いた技術を、先生に見せたかったという思いです。当日は食事を摂れないほど緊張しました。どんな革が出される分からない中、ピアノの初見のように一発で決めないといけません。何が来るか分かりませんから、とにかく練習しました。合格したときは、安心して気持ちがすっとしましたね。
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「本物の職人」になるため、日々信念を持って革と向き合う
織田 康介
元は革を使用していない鞄を制作していました。今の会社の所長に声をかけてもらい、革の鞄職人になりました。仕事では、日々さまざまな提案に応えるために技術を磨き、信念を持って行っています。試験は会社から紹介され、自分の実力を測るために受験しました。試験では、日ごろの技術を発揮することが出来ました。試験は、実務ではなく、実力を測る目安でしかありません。取ったからといって何かが変わるわけではありませんが、自分の実力を知るうえでとても良いものだと思っています。また、職人という仕事は、教えてもらうものではなく、「映像を見る」「音を聞く」など、技を盗むことで自分の実力を伸ばすことができると思っています。私自身まだ若い職人なので、これから先も、執念を持って1級取得に向けて努力し続けていきたいです。
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毎回小さな発見のある奥深き世界!挑戦を大切に
荒木 祐司
小さい頃から、周りに革を扱ったりなめす工場が多く、革に慣れ親しんで育ちました。私はもともと靴をやっていましたが、「財布も直せない?」というお客様の要望から、小物の世界を志すように。小物はパーツが細かく多いので、難しく感じたこともありました。この仕事の醍醐味は、考えたものが形になること。たとえ同じものを作っていても、毎回小さな発見があるから、奥が深いです。試験を受けたきっかけは会長から「挑戦しないか」と言われたこと。当日はとても緊張しました。普段の仕事とは、意味合いも違います。試験中は、もう無の境地。集中して、焦らず、手際よくこなすのみです。資格を取得した後は、自覚と自信が生まれて、精神的な面でもクオリティに違いが出ました。いずれ1級にもチャレンジしたいですね。挑戦することは大事なことです。壁を感じることは日々ありますが、乗り越えるために努力。何度も繰り返すうちに、克服できたりします。
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大切な人のために、手間を惜しまずに作品をつくりあげる
細野 悠介
もともとプロダクトデザインがメインでしたが、作ることに興味が沸き、この道を歩むことになりました。中でも「大切な人のためにモノづくりをしている」という、ある職人の言葉に感銘を受けて。自分もこういう生き方をしたいなと、人生観につながっています。試験については、社長から勧められました。自分の腕を試したい気持ちもありました。4度目の挑戦で1級に合格したときは、とても安心しましたね。試験は普段の仕事とは、また違った難しさがあります。単にキレイに作ればいいという話ではありません。資格を取った今では、仕事で作るサンプルも「一級合格者のサンプル」として見られるので、気が抜けません。いい意味でプレッシャーだし、自信よりも責任のほうが大きいかな。これから受験をする皆さんには、手間を惜しまずに一行程ずつ大切に取り組んでほしいとお伝えしたいです。資格を持つことで職人としての自覚が生まれ、仕事に対する姿勢も変わっていきますよ。