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皮革に関するコンテンツ

2022年4月15日 コラム

「皮」と「革」

 

■「皮」と「革」

動物からはぎ取った皮は生ものなのでそのままでは劣化し、腐敗してしまいます。
その皮を処理することで腐らなくする工程を「鞣し(なめし)」といいます。
この鞣しを経て「皮(skin)」は「革(leather)」となります。

 

 

■なめしの種類

なめしには多くの種類があり、加工の方法によって革の風合いは大きく変わってきます。
植物由来の鞣し剤を使ったものや化学薬品を使ったものなどどちらが良いとかではなく、使用する製品などによって使い分けられています。

 

代表的なものを紹介します。
植物由来のタンニンを使った加工を植物タンニンなめし(ベジタブルタンニンなめし)といい、ハリとコシがあり、丈夫で吸湿性に優れた革に仕上がります。
なめしに手間暇がかかるので、他のなめしに比べて製品が高価になりやすい傾向があります。

 

次は化学薬品の塩基性硫酸クロムを使ったなめし、クロムなめしです。
タンニン鞣しに比べて手間や時間がかからないので、大量生産に向いており、革は水をはじきやすく、伸縮性や柔軟性に優れています。
ただし、焼却処分する際に人体に有害な物質が発生する可能性があり、処分に注意が必要となります。

 

タンニン鞣しとクロム鞣しの両方の特徴を取り入れたものが混合鞣し(コンビネーション鞣し)と呼ばれています。
それぞれのオリジナルには敵いませんがタンニン鞣しのようなエイジングの経年変化を楽しむことができ、クロム鞣しのような強さや柔らかさを感じることができます。

 

他にもSDGsが声高に掲げられている昨今、近年注目を集めているのがアルデヒド鞣しです。
クロム鞣しと同程度の柔らかな革に仕上がりますが、コスト面などの問題からまだ一般的ではないようです。

 

どの鞣しが良いかということはなく、どんな製品にどのように使うかで変わってきます。
エイジングによる変化を楽しむならタンニン鞣しですし、レザージャケットのように革の滑らかさや伸縮性、丈夫さが重要なアイテムにはクロム鞣しといった具合です。

 

■なめしの種類と工程

参考文献:一般社団法人 日本皮革産業連合会 、鞄・ハンドバッグ呼称標準化委員会 『鞄・ハンドバッグ・小物標準用語集』